2008年12月 1日 (月)

タミかビルか。

 成田空港旅客第2ターミナルビルのことを,私は「2ビル」と呼ぶ。新東京国際空港の時代からそう呼んでいる。ところがこの略称,世間的になかなか少数派だ。国民新党支持者よりは多数派のように思うが,スイスにおけるロマンシュ語圏よりも虐げられているような気がする。

 うちのヨメは「2タミ」と言う。それで,私は以前癇癪を起こしたことがあった。

 「お前は2タミ2タミって言うけどな,『タミ』ってなんだよ。『ビル』はそれ自体で意味がある言葉だろ。『タミ』じゃなんのことかわからんじゃないか。あ? JALのカウンターではみんな2タミと呼んでいたぁ? そんなん知ったこっちゃねぇ。ターミナルビルを略してるんだからどうしてもタミを使いたいならタミビルにしろよ。なに? インフルエンザ患者みたいだと? そりゃタミフルだ。素直に2ビルと呼べやぃ」

 ところが,良心的な一般市民が普通「2タミ」と省略していることを,私は十二分に認識しているのである。だからヨメの前では強気に「2ビル」と連呼しているくせに,普段は相手の顔色を伺いながら「あ,あのー…,2ビル…,いや,2タミの方に行きたいんですけど…」などと妥協してしまう。これじゃいけない。もっと強い心を持たなければ,と決意を新たにすることがないわけじゃないが,しかし実際には「2ビル…,いや,2タミ」と言うことを繰り返してきた人生である。

 昨晩,暇を持て余しニコニコ動画にアクセスした。私が再生したのは成田エクスプレスの前面展望であった。運転台にカメラを取り付け,ただただ前を撮し続けるという,需要の非常に限定的な動画である。東京駅から成田空港までの車窓を1時間眺めていたのだけれど,こいつは成田エクスプレス開業当初の映像だった。だから「お~,物井の駅が改装されてない~」などと例の週末のごとく懐古にひたっていた。

 動画もクライマックスに差し掛かったところであることに気づいた。まだ空港第2ビルが開業していなかったのだ。そのときである。「2ビルがねえwwwww」「2ビルwww」「2ビル完成前か」とのコメントが画面の右端から現れる現れる。次々に登場する「2ビル」の文字。「2タミ」の姿はまったく見えない。気配さえ存在しない。こんなに「2ビル」率の高いコミュニティははじめての経験だ。味方ばっかりだ。ガザ地区にたどり着いたパレスチナ人の気分である。

 よく理由はわからないけれど,鉄道組(なんだそりゃ)の中では「2ビル」が普通のようなのだ。知らず知らず私は鉄道組に属していたらしい。それに対し,空港でのインターン経験があったりするうちのヨメは航空組なのだろう。たしかに航空組の間では「2タミ』を使うな。何度も言うが理由はわからん。

 この文章を,私は,総武快速線成田空港行き快速「エアポート成田」に揺られながら書いている。2タミ,じゃなかった,2ビルへの到着は16時42分だそうな。

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2008年11月30日 (日)

ジャパンカップ 展望

 ダービー馬3頭,この中ならばサムソン>ウオッカ>>ディープスカイの順と見る。穴を狙うならば,今日も上がり最速スクリーンヒーロー。オウケンブルースリも完全に無視するのは怖い。さんざん考えたがシックスディーズアイコンよりはペイパルブルが上。この馬は単まである。

投票内容
件数場名レース式別馬組金額
(1) 東京(日) 10R 3連単 フォーメーション 1着:02,04,14
2着:02,04,14,16
3着:01,02,04,09,14,16
各100円(計3,600円)
(2) 東京(日) 10R 馬 単 フォーメーション 1着:02,04,14,16
2着:01,02,04,14,16
各100円(計1,600円)
合計 5,200円

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2008年11月29日 (土)

賢明な判断。

生徒「突然なんですけど,先生の車って改造してたりします?」

私「別にしてないけど,なんで?」

生徒「いや,別になんでもありません」

私「何を言っているのだ。俺は『なんでそんな質問をしたの?』と訊いたんだ。質問という行為は既に完了されているのだから,理由のないはずがなかろう。『なんで?』と訊いたらうちの猫でさえちゃんと理由を答えるぞ。そんな躊躇せずに言ったらどうだ」

生徒「いや,昨日課外授業が遅くなっちゃって,学校の講師の先生が駅まで車で送ってくれたんですよ」

私「うんうん」

生徒「で,その講師の車がレガシィで…」

私「いいじゃないか」

生徒「マニュアルだったんですよ」

私「おぉ,すばらしい。その先生の授業はちゃんと受けた方がいいぞ」

生徒「駅までの道中がなんか変だったんです」

私「?」

生徒「なんかギアを変えるたびにドッカンドッカン揺れるんですよ」

私「あー」

生徒「それまでマニュアル車に乗った経験って,先生の運転だけしかなかったんですよ。周りはみんなオートマなんで。先生の車って全然揺れたりしないじゃないですか。スムーズと言うかなんというか。だからどこかいじってたりするのかな,と…」

私「ふっふっふっ(超絶得意げな顔)。それはひとえに運転技術の差だよ実香ちゃん。俺の左腕は『人間遊星歯車』,左足は『マニュアル・トルコン』と呼ばれるくらいでね。回転数を合わせたシフトチェンジには定評があるんだ。それもこれもだな,鈴鹿を走ったプロストのオンボード映像をすり切れるほど見てだな…」

生徒「あ,それ昔見させられたやつですね。『今日はF1の授業にしよう』とか言って2時間ずーっとセナとプロストのオンボードカメラを見させられたうえ無理矢理感想文書かせられた…」

私「そんなこともあったか?」

生徒「ありました。それで先生めちゃくちゃ上機嫌になって,私の目の前でAmazonのサイト開いて,『F1 LEGENDS 1987-1995』とかいうDVDを勝手に買って,うちを送り先にして,で,『レポート書いてこい』とか無茶なこと言ったじゃないですか。テスト前だったからよく覚えてるんですよ」

私「おぉ,それはすまなんだ。まあとにかくそのガックンだかドッカンだかはだな。個人の技量に依存するもんだ。なんならあと10人くらいのマニュアル運転を体験してみなさい。きっと『人間遊星歯車』の真骨頂がよりはっきりとわかるぞ」

生徒「はあ…」

私「まあ実香ちゃんもだな,ようやく自分で理性的な判断と意思決定ができるようになったようだから,今日の課題はなしにしよう。自分で必要だと思うことをやっておきなさい。いやー,よく成長したねぇ」

生徒「あ,そうですか…。ありがとうございます…。じゃあ帰ります…」

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2008年11月27日 (木)

ペット。

 ネタは特にないけれど,更新するクセをつけねばと思う。ちょうどよく,ココログで「ブログネタ」がはじまったので,このネタに参加してみる。

 我が家の猫の名前は「たごさく」である。ちなみに,その前の猫の名前も「たごさく」であった。もう1代前の猫も「たごさく」と呼んでいた。

たご

 命名したのは私だが,どうしてこんな吉幾三テイストの名を思いついたのか覚えていない。ちなみに,母は「ちょび」と呼び,妹は「ねこ」と呼ぶ。いずれを用いても,彼はそれが自分の呼称であることを自覚しているように思う。

 私は普通の人間と話しかけるのとまったく同じようにたごさくと話す。幼稚園に入りたての甥っ子にも普通に話しかける。猫の英才教育には自信がある。「腹が減った」と言われれば「さっき食べてから何時間経ったのだ?」と問い,「五月蠅い」と文句を言われれば「どうして五月蠅いのがイヤなのだ。賑やかでいいだろう。お前にとって五月蠅いと賑やかの区別はどこにあるんだ。簡潔に言ってみろ」と問う。すると,彼なりに一応考え,それなりに合理的な返答をするからこれまた憎たらしくなる。とにかく,うちの猫はそこいらの猫よりも賢く育ったと思う。

 まったく話は変わるけれど,web上で会員登録の類をするとき,パスワードを再発行するための「秘密の質問」を入力させられることって多いですよね。「母親の旧姓は?」とか「一番好きな映画は?」みたいなヤツ。あの中に,87%くらいの確率で「飼っているペットの名前は?」ってのがあるような気がしませんか? で,そういう場合,ペットを飼っている人は大抵こいつを「秘密の質問」にすると思うんです。だって,「一番好きな映画は?」だと「アポロ13」って答えたか「L.A. コンフィデンシャル」って答えたか,はたまた「ゆきゆきて,神軍」にしたかわかんなくなっちゃいそうでしょう? にもかかわらず,ブログやらSNSの日記やらでペットの名前を安易に後悔している人が相当程度いるように思います。これって,セキュリティ的に問題あるんじゃないだろうか。

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コネタマ参加中:
あなたのペットの名前、教えて!

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2008年11月24日 (月)

おんぼろ。

 羽田・宮崎間を空路で行き来しようとすると,JALとANAに加えてSNA(スカイネットアジア)を利用することが出来ます。ANA便の大半はSNAとのコードシェアで,機材や乗員はSNA側が提供しています。私は宮崎へ出張することが多いのですが,用務先が気を遣ってくれるのでしょうか,特に指定しない限りANAのチケットが送られてきます。

 ところが,3連休で混雑していたためでしょう。先週末は帰路のみSNAを利用することになりました。ラッキーです。というのも,SNAの機材はすべて737-400なのに対し,東京・宮崎間のANA便は,777-200,767-300,A320と3つの機材が運用されています。ところが宮崎発20:00(最終)のANA便はA320ですから,19:45の737-400に変更されたところで大して困ることはありません。777か737-400かと言われれば間違いなく前者を選ぶでしょうが,A320ならばむしろ積極的に737-400を選びたかったりするのです。

 いつ潰れるとも知れぬLCC業界です。いい機会なので,今のうちにSNAの魅力をまとめてみようと思います。

 一言で言えば「日本にいながらアメリカ気分」,これに尽きるでしょう。まず第1に,女性乗務員が美しくない。これは魅力的です。世の中で嫌いなものを3つ挙げろと言われたら「女子大生・女性客室乗務員・女子アナウンサー」と答える私にとって,「調子づいた感」のない女性が乗務していることは心の平穏に寄与します。どう見てもふくよかな女性や妙齢の女性にドリンクをサービスしてもらうと,素直に「ありがとう」と言いたくなりますが,JALやANAの乗務員には変に猜疑心を抱いてしまうのです。(この笑顔の奥で何考えてるかわからないぞ。どうせ金と地位を持ってる人間にしか興味ないんだろ。まさか才色兼備だなんて勘違いしていないよな。今日び,英語が話せることは「才」でもなんでもないからな)と,無駄に精神を疲弊させてしまいます。

 年季の入った中古の737-400にも心惹かれます。あぁ,俺はいまアエロフロートやガルーダ,中華航空にさえ用無しと判断された機材に乗っているんだなあ,との感慨を表す上手い表現は見つけられません。気のせいか,与圧も甘いように感じます。血管が膨れるような感覚を強く感じるのです。この機材に乗っていると,過剰なサービスを評価するビジネスマンがいかに愚かかわかります。飛行機とは本来こういう乗り物なのだ,と原点に返り「運んでくれるだけでありがたい」と思えるようになるのです。多少の故障に腹を立ててはいけません。今回乗った機材は,給湯設備が故障している旨アナウンスされました。そのため,ホットのドリンクは提供されませんでした。それでいいのです。飲み物ほしけりゃ売店で買って持ち込むべきなのです。たかが交通インフラに何を期待する必要があるでしょう。

 羽田で虐げられているSNAが,きちんとブリッジに到着することは稀です。遠く離れたスポットまでバスで移動しなければならないことが殆どです。SNAが敬遠される理由の1つとも聞いています。ところが,私にとってこれはむしろメリットです。宮崎からANAのA320で帰京すると,多くの場合,やたらめったら遠いブリッジで降ろされます。出口まで1km近く歩かされることも少なくありません。出口至近までバスに揺られる方がずっとラクなのです。

 さて,上に挙げたような魅力を打ち消してしまうようなSNAのサービス,それが機内アナウンスだと言えるでしょう。今回を例に挙げれば…

乗務員紹介:
「機内後方をご案内いたします○○。こう見えても船舶免許を持っております。船の舵取りは得意ですが,ともに人生の舵取りをしてくれるすてきな男性を,只今募集中でございます」

離陸前:
「宮崎空港の混雑により,出発が25分程度送れましたことをお詫び申し上げます。また,本日上空,西から東へ強い風が吹いておりますため,離陸いたしました後も多少揺れることが予想されております。ベルトサインは消灯いたしませんが,離陸後5分経過いたしましたら,電波を発信しない電子機器類はご利用いただいて結構でございます。なお,当機離陸遅れておりますが,非常に強い西風の影響で飛行時間は1時間7分! 今月最短の時間で到着することが予定されております。羽田空港管制官の指示にもよりますが,定刻より10分程度はやく到着できる見込みです(うれしそう)」

着陸後:
「三連休も残り1日となってしまいました。明日は生憎寒気に覆われ,今日以上の寒さになるようです。お体をご自愛の上,束の間の休日を過ごされますよう心よりお祈り申し上げます」

 なんとまあハートウォーミングなアナウンス。JALやANAの冷たさとは対極にある,そしてアメリカは片田舎のようなウィット溢れるコメントの数々を堪能することが可能です。SNAのアナウンスには,「貧乏だから充分なことしてあげられないけれど,乗ってくれて本当にありがとう」という気持ちが感じられます。本来接客とはこうあるべきではないでしょうか。

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2008年11月21日 (金)

Xファイル:真実を求めて(監督:クリス・カーター,フランク・スポニッツ,主演:デイビッド・ドゥカヴニー,ジリアン・アンダーソン/2008)

 アメリカのことはすべてX-Filesに教わった。

 自分にとってモルダーとスカリーは青春のヒーローだった。ジェレミー・ブレットが死んでグラナダTV版シャーロック・ホームズの新作が見られなくなった心の隙間を埋めてくれたのは,デビッド・ドゥカブニーとジリアン・アンダーソンだった。モルダーとスカリーの冒険記は,現代版ホームズ・ワトソン物語だった。

 シリーズが進むとモルダーは登場しなくなった。しばらくして,スカリーも登場しなくなった。そして,Xファイル・シリーズは終わった。

 モルダーとスカリーにはもう会えないものだと思っていた。暇を持て余した日曜の夜,昔買ったDVDを引っ張り出し,お気に入りの話を何度も見た。そのためにホームシアター・セットなんてものまで揃えたりした。

 そんなXファイルが帰ってくると聞いて,ただ単純にうれしかった。予告篇のモルダーはたしかにちょっぴり老けていたが,そんなの大して気にしなかった。

 だが,ガラガラの映画館で観た彼らの新作を観た後感じたのは,櫛の歯が欠けたような気持ちだった。

 たしかにモルダーとスカリーはそこにいる。昔と変わらぬ会話もある。モルダーの登場シーン,スカリーがびっくりして「Jesus Molder」と発するシーンは,前作映画のまんまだったりもする。シリーズを愛してきた人間のサービスがそこかしこに鏤められていて,それでいて新しい観客への配慮も感じられる。2時間ドラマ的と言うと悪口になってしまうけれど,ハリウッド的大仰なシーンは省かれていることも好感が持てる。

 けれど,Xファイルは明らかに変わってしまった。モルダーとスカリーが一緒のベッドで寝るXファイルはXファイルじゃない。ギリギリのところで一線を超えない絶妙のバランスが最大の魅力だったのだ。クリス・カーター自身が昔そう言っていたじゃないか。そして,スカリーはがけた。老けすぎた。妊娠中の撮影だったことは考慮したいけれど,覇気というか生気というか,あのキャラクターが持つ独特のエネルギーが完全に失われてしまった。もちろんそういう設定だってことはわかっちゃいるけれど,あまりに変わりすぎだ。ジリアン・アンダーソンの顔そのものだって変わってしまっている。昔の方がよかった。

 昔のXファイルを思い出したのが,スカリーのいないビルの中でのアクションシーンだったことは何とも皮肉だ。ドラミー捜査官役のアルヴィン・ジョイナーが「Fox!」と叫ぶ姿に,昔のジリアン・アンダーソンがシンクロした。

 僕はXファイルが好きだ。アメリカのドラマで一番好きだ。こんなに好きなドラマは多分今後も現れない。だからこそ「もうやめてくれ」と言いたい。新作は観たい。モルダーとスカリーの「今」も知りたい。けれど,観終わった後,こんなにさみしい思いをするのはたくさんだ。性的な関係はないけれど,ものすごく通じ合っている2人の姿がXファイル最大の魅力だったのだ。もう,僕たちのXファイルは死んでしまった。

 公開初日に観に行ったのに,2週もの間感想を書けなかった。2012年12月12日,「その日」がやってくる。「その日」に合わせて,おそらく新作が作られるだろう。クリス・カーターにお願いしたい。それでおしまいにしてくれ。この作品をうまく着地させてくれ。かわぐちかいじ的にぐだぐだ続くXファイルは観たくない。

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2008年11月18日 (火)

ピリピリ。

 はじめにおかしいと思ったのは2週間くらい前だった。

 右腕がぴりぴりする。力がうまく入らないこともある。掴もうとしたものを落とすことが増えた。

 先週の火曜日,発疹が出来た。はじめは掌だった。その日の夜に酒を飲んだら上腕部に広がった。金曜日に酒を飲んだら痛みが酷くなった。

 金曜の夜,帰宅したのは朝3時だった。5時に起きて飛行機に乗った。身体がだるい。なんとか喋って夕方帰京した。そのまま車を運転し,とある農村へ向かった。夜中1時くらいまでいくつかの作業を手伝った。そのまま宴がはじまった。地元の役人と5時半まで地方政治談義をした。

 あまりに汚かったので一旦帰宅して風呂に入った。湯船の中で目をつぶった。が,寝ている暇はない。身体を拭くと水疱は更に増えていた。右半身全体が痺れたような,変な感覚だった。結局一睡もせずに再び元の街へ戻り,15時くらいまで手伝いをした。まだ仕事は残っていたけれど,既に体力は尽きかけていた。

 17時に同僚を高速バスのバス停まで送り,1つ2つ仕事をした。途中高校生に「帯状疱疹じゃないですか?」と言われた。おぉそれは正しそうだ。君は名医になれるぞ。医学部志望だったのに文転させてしまい申し訳ない。

 やっとの思いで20時半に寝た。22時に起き,Skypeを使って打ち合わせをした。録画していた番組を高速でチェックして3時に寝た。眠るつもりはなかったのだけれど。

 目覚めたら9時だった。右半身の痺れが尋常じゃない。衣服が擦れるだけで痛い。保険証を探す。ない。役場へ行って再発行してもらった。国民健康保険税をきちんと納めていてよかった。

 そのまま高速に乗って学校へ行った。1つ講義に出た。交渉は不調で決裂した。次の講義に出た。田舎町の市長が話をしていた。体調はもう限界だ。質疑応答になった。なんとかこらえようと思ったが,途中退出した。

 校内の健康センターみたいなところに「発疹が出来ている」と相談するとさあ大変。すわ麻疹患者発生か,と所属やら緊急連絡先やら訊かれまくる。そのうえで「ここにいけ」と皮膚科を紹介されるのである。

 医者に行くと「どうしてここまでほっといたんだ」と怒られる。やれやれ。「いやー,このあたりはフレッシュで見事な発疹だねえ。教科書通りに発症しているねえ」と感心された。帯状疱疹は薬が高い。べらぼうに高い。グラクソの薬は常に高い。

 寝ないでいられるのがウリの身体だったが,30を境に無理が利かなくなっているように思う。だんだん劣化していくなあ,と感じた週初めの午後であった。

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2008年11月17日 (月)

チクチク。

帯状疱疹になった。痛いがな。詳しくは次回に。

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2008年11月10日 (月)

聞く耳持たず。

 先週,とある政治学者がこんなことを言っていました。

 麻生太郎が追加経済対策と同時に消費税率の引き上げを明言したのは間違いである。これによって,景気対策としての実質は奪われてしまった。彼は学部生でも知っている合理的期待仮説を知らないのではないか。とはいえ,選挙前の政治家は必ずしも実質を伴った政策を表明するものでない。有権者が自分を利するような投票行動を採ってくれるような政策を行いがちだからだ。さはさりながら,この点から考えても,麻生が増税に言及したのは不可解だ。民主党との差別化を図る目的があったと考えられなくもないが,一般に増税は与党にとってマイナスの政策である。ではなぜ麻生はあのようなことを口走ったのか。それはひとえに彼自身の心の安寧を維持するためだろう。各種政治家アンケートの結果を見ると,彼がもともと増税派であることは明らかだ。にもかかわらず金融危機の中総理の座に就いた彼は,バラマキ型の景気対策をせざるをえなかった。これだけでは麻生にとって心のバランスが不安定になる。そこで追加経済対策と同時に消費税率の引き上げ方針を明らかにしたのである。

 この分析に,私はいくばくかの疑義を抱きました。経済学的効果云々のくだりにも反論の余地はあるかと思いますが,本論はそこにないので今はよけておきましょう。この説が抱える最大の問題点は,「選挙を控えた政治家は有権者の投票行動を意識する」という点を考慮したにもかかわらず,その部分への考察があまりに杜撰なことだと考えられます。

 「麻生太郎が消費税率の引き上げに言及したのは,政権支持率,ひいては自民党支持率の浮揚に寄与すると考えたからである」という仮説が成り立つかどうか考えてみましょう。与党自民党への逆風が強く吹いているにもかかわらず,その不満を民主党が吸収し切れていないことは世論調査の結果からも明白です。麻生周辺はこの現状に際し,「選挙前の美味しすぎる話には騙されないぞ」という程度のリテラシーを国民が抱いている,と分析したのではないでしょうか。ここで思い出されるのが,小泉純一郎という政治家です。彼は「痛みに耐えろ」と言い,それを国民は支持しました。少子高齢化が現実の問題として表出し始めた今,国民は「これから先大変になるのは不可避の事態だ」と受容しているように思います。どうやら,従前と同様の行政による恩恵に授かるわけにはいかなそうだ,ということも薄々勘づいているように思います。そこで,国民に応分の負担を求めることによって,小泉純一郎同様率直さを評価してもらいたい。それによって,民主党との差異化をはかり,責任政党としての能力を再確認させられるのではないか。麻生太郎の表面的な思惑はこのようなものであったでしょう。

 では,仮にそれが正しかったとして,思惑通りの反応を国民はいるでしょうか。答えは否だと思います。というのも,麻生太郎は小泉ほどトップダウンの政治を執る人間でないからです。国民が小泉を支持した最大の理由,それは「わかりやすさ」だと考えます。ですが,そのわかりやすさの本質は,一般に言われる争点の単一化とか,二値論理的思考とかいったものとは違い,帰責先のわかりやすさにあったと思うのです。小泉は,他人の意見を聞き入れるような人間に見えませんでした。周りが何を言おうと自分のやりたいことをやってしまうだろう,そう感じさせる超絶な強引さがありました。その手法に私は賛成しません。ですが,これはひとつの効果をもたらしました。それが帰責先のわかりやすさです。未曾有といってもいいくらいの金融危機の中,今,「小泉・竹中のせい」といった論調が多く存在します。これほど「○○が悪い」と個人攻撃される戦後日本の政治家も珍しい。例えば「中曽根が悪い」と断言するのはちょっと躊躇われます。前川リポートが諸悪の根源,とか,実は土光敏夫がよくなかった,などと余計なことに言及する必要もあろうと考えてしまうからです。要するに,今「小泉・竹中が悪い」と叩かれる背景にある小泉の政治手法は,逆に小泉が喝采を浴びた理由でもあるのです。

 そのように考えたとき,麻生太郎が「痛みに耐えろ」的なメッセージを発信しても,国民がそれを好意的に受け止めるのは難しいように思います。麻生太郎は(少なくとも)小泉よりは「人の話を聞く」政治家であるようなイメージがあるように思うからです。誰の意見も聞かず,独断専行甚だしい指導者でない限り,小泉純一郎のような手法はむつかしいだろうと思うのです。

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2008年11月 9日 (日)

新宿線を買い推奨。

 帝都高速度交通営団が「帝都高速度」の文字を捨てたときから自発的に地下鉄ボイコットをしていることは,既に何度か話をしています。ところが「都営線に乗ることは問題ないじゃないか」ということに最近気がつきまして,都営線に限り再び地下鉄を利用するようになりました。これが便利で仕方ない。

 地下鉄の利便性を担保するもっとも大事な要素は,乗り換えの容易さ,およびJRへの結節度だと思います。同じ名前がついているのに幾度もエスカレーターを乗り継いだ結果,ホームへ降り立ったときには嫌気で満たされてしまうことはよくあります。また,どんなに相互乗り入れしようと,基本的に地下鉄は都市内交通ですから,都市間交通,近郊交通として機能しているJRとの連絡が容易であることは重要です。とはいえ,今申し上げた2つのポイントは本質的に相反です。なぜなら,ごく当たり前のことですが,基本的にJRは地上を走るものであり,地下鉄は地下を走るものだからです。つまり,都市内で地上にいる人が移動する場合においても,近郊からJRを使って上京した人間の末端移動手段としても,地下鉄という乗り物は利便性に限界を抱えています。銀座線や丸ノ内線という,初期に建設された比較的深度の浅い路線や,東西線のように何故か地上区間の長い路線を除けば,地下鉄というのは「不便」な乗り物です。5分も10分も乗り換え時間を見積もらなければならない,そんな乗り物を利用するのは憚られるのが人情でしょう。

 ところが,千葉県民であるところの私にとって,都営新宿線はそういったトレードオフを解消して存在する路線である,ということについ最近気がついてしまったのです。どういうことか。総武線は快速線に限り,錦糸町の先,両国から地下に潜ります。したがって,馬喰町と新日本橋での地下鉄乗り換えはとても便利なものになるです。私も地下鉄ボイコット以前には,新日本橋を降り三越前から銀座線に乗り込んでおりました。なかでも馬喰町は青函トンネル開通まで,国鉄で最も低いところにある駅だっただけあり,これまた深い都営新宿線との親和性が非常に高くなっています。総武快速線ホーム東京方の階段をのぼると,そこはもう都営新宿線の馬喰横山です。赤坂見附における銀座線=丸ノ内線ほどのインパクトはありませんが,これはなかなか感動的な動線になっています。さらに神保町,九段下と続く新宿線は靖国通りの下を走っています。千葉県民にとって,靖国通りこそ千葉街道国道14号から続く「心の往来」です。この事実を再発見し,「本八幡に快速が停まらないせいで新宿線は不便なんだよ」という私の偏見は一遍に吹き飛んでしまったのでした。

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2008年11月 8日 (土)

ゲルハルト。

 出資馬がデビュー勝ちました。

 3ヶ月くらい前にも同じような話をしたことがあります。が,その馬が勝ったのは3歳未勝利戦でして,「デビュー勝ちだぜぃ」と調子に乗るにはいささか気が引ける部分がありました。が,今回は2歳の新馬戦ですから,ちょっとは胸を張ってもよいでしょう。

 この馬は800万だったか1,000万だったか,とにかく極端に安い馬でした。以前にも書いたとおり,もっともハズレの少ないのは,こういった「芝ダートともに走れる格安の短距離血統」だと思います。クラシック血統の馬に6,000万とか8,000万だなんて,いくら夢を買う遊びとはいえ正気の沙汰とは思えません。私は,だいたい馬代金の倍額くらい賞金を稼いでくれれば出資代金はペイすると考えていますので(一口額でなく総額で考えるのはこのためです),こういった大物狙いの場合,重賞を1つ勝ったくらいではプラス収支にならない場合も考えられます。

 それに対し,この馬くらいの馬代金であれば,入着を繰り返しながら2つくらい勝ってくれれば元が取れます。また,もともとの期待値がそれほど高くないので,ゆとりをもって競争生活を見守ることが可能です。そういう精神的な面も含めて,もっともコストパフォーマンスのよいのが,この「1,000万そこそこの短距離馬」だと言えるでしょう。本馬は450kgに満たない馬体ですから脚元の不安も少なそうです。別に重賞戦線を賑わすような競走馬に成長しなくても構わないので,コツコツと長く走ってくれることを期待しています。

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2008年11月 6日 (木)

Mac使いの自意識。

 blogやSNSを徘徊しMacを買ったという知人のエントリを目にすると、コメントせずにいられない。井上達夫大先生の教えにならってこれの可換性をちょっと考えてみよう。Windows使いが知人のWindows購入記にコメントしたくなるだろうか。そりゃあコメントしたくなる人もいるだろうが、「せずにいられない」という強迫観念にも似た衝動を抱くことはなかろうと推測する。であるならば、かかる自分の意識にはどこか過剰な部分があるわけであって、節度民主主義を提唱する私は「おぃらはMac使いだぜぃ」という気持ちを抑制すべきだろうと思うのである。

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2008年11月 4日 (火)

軍靴の足音。

 たとえ軍人だろうが共産主義者だろうが、その人間の意見がどれほど電波だろうが、ある個人が自らの思想を発表したことへの報復として、数千万円にも及ぶ個人の財産権を大衆が当然に侵害しようとする風潮の方が、余程軍靴の足音と近接的だと思うんですがね。毎度毎度の典型的な反応で申し訳ないんですが。あ、内規に抵触してるだとかシビリアンコントロール云々だとかいう点は別にしてですよ。あと、必ずしも彼個人の意見に賛同するわけではない。これが国軍を動員して共産主義革命を起こすべし、みたいな話であってもまったく同じ反応をすると思います。要は、いくら軍人といえど思想・表現の自由くらい認めてやれと思うわけです。と同時にそういう自由を確保したうえで、そういう自由があることを認識しつつ、当該空幕長も意見を表明すべきでない。甚だ不適切だ。わざわざこんなことしなくたっていいじゃないか。こう考えるわけであります。

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小室哲哉が逮捕されるらしい。

 数ある2ちゃんの祭りレスの中で,一番同意したのがこの書き込み。いま20代の人の中には,当てはまる人も多いのでは。と,北浜流一郎大先生のような文体を使ってみる。

556 : 柿(群馬県):2008/11/04(火) 03:03:25.39 ID:XCDzjXDK
粗悪なものを乱造し、多くの日本の若者の音楽的感性の芽を摘み取ったことこそ本当の罪。
いちばん良いものに触れなければいけない年代にこういうものをあてがわれてしまった世代は
本当に不幸な被害者だ。音楽ってのはとても大事なものだと思うんだな。

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2008年11月 3日 (月)

のなか。

 プットのワラントを腰が抜けるほど買い,そのすべてをドブに捨てた経験を持つ私は,三洋電機に人並み以上の思い入れを持っています。

 日経新聞という会社は性根に問題のありそうな女性を余程お気に入りのようで,現在の小谷真生子や古の小池百合子もそうですが,ワールドビジネスサテライトのキャスターを務める女性は(短期中継ぎの人を別にして),正直申し上げて,1日の終わりがイヤーな気分に染められてしまう,そんな人が多うございます。

 私が高校生の時分,WBSのキャスターを担当していた野中ともよという人間も,「イヤーな感じの」女性でございました(考えてみれば,当時はニュースステーションで小谷真生子,勝恵子を拝んだ後,WBSの野中ともよを眺めておりました。くわばらくわばら)。彼女が三洋の経営陣に迎えられたと聞いたとき,本当にショックを受けたことを今でも鮮やかに思い出します。

 おそらく三洋電機という企業は,早晩市場から退出するのでしょう。けれど,三洋には世界一の技術がたくさんあります。というと普通は電池関連事業を思い浮かべるのでしょうが,美味い米を探し続けて三十ウン年の私にとって,三洋は世界最高の炊飯器メーカーに他なりません。

 私は,羽釜も持っていますし,リンナイのガス釜を使って炊飯することもあります。しかし,三洋の電気炊飯器よりも美味い飯を炊く調理器具と出会ったことはいまだかつて一度たりともありません。「炊飯器の神様」下澤理如氏が手がけてきた炊飯器事業は,三洋の誇るオンリーワンにしてナンバーワンの事業です。

 松下による買収話が事実なら,三洋電機が培ってきた炊飯技術は,恐らく水泡に帰してしまうのでしょう。松下はそういう企業です。三洋の炊飯器は今しか買えません。ECJ-XP1000かECJ-XP10,あるいはECJ-XV10が欲しくてたまらない。色だけならばECJ-XV10のシャンパンゴールドを採りたいのですが,機能その他を考えると,最後のフラッグシップECJ-XP1000を購入すべきなのかもと迷います。定価131,250円。大金です。一括では無理です。インチキリボ払いで買おうか。でも税金を払わなきゃ。あぁどうしよう。悩ましい日々が続きます。

【余談】今年の米は不味い。いろいろなところで言っているが,今年の米は本当に不味い。香りがまっっっったくない。去年一昨年も大した味ではなかったが,今年は本当にひどい。私は環境保護運動なんてクソ喰らえと思っているが,この不味さが気候変動の影響ならば,喜んでゴミの分別をする用意がある。原発関連法改正にも大賛成する気持ちがないわけではない。マイカーをかなぐり捨て自転車で移動する気持ちも,…うーん。

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2008年11月 2日 (日)

天皇賞・秋 回顧。

 いやー,いい勝負。これまで私の選ぶベスト5は

1. ジャパンカップ・1992
2. 阪神大賞典・1996
3. 有馬記念・1993
4. 毎日王冠・1989
5. 東京優駿・1993

だったけれど,これらに負けず劣らぬ好レース。過去10年では間違いなく最もいいレース。馬券も今年に入って一番買った(カンパニーを本命にしたのは穴党として誇らしい)。無理にヒーローを作らなくても,変なキャンペーンを張らなくても,いい騎手といい馬がガチンコで勝負すれば盛り上がる。そんな当たり前のことを確認できた幸せな日曜日であった。ダイワスカーレットが525.9mをまっっすぐ走っていたのが特に印象深い。この馬は相当強い。

 さまざまなアングルから見るべき価値のあるレースだと思うのでいろいろ動画を紹介。柏木集保のレース回顧が熱すぎる。

・NHK

・CX

・GC

・柏木集保回顧その1

・柏木集保回顧その2

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